| | | 早春賦 | 海事プレス CARGO誌 2009年新年号に掲載
「早春賦」橋宏公立大学法人首都大学東京理事長
明けましておめでとうございます。ここ十数年来の世界共通の課題は「とめどない地球環境の悪化」と「人類の平和共存」でしたが、今年は更に「世界同時不況からの脱出」が加わりました。
これらは何れも人為の災害であり、人類がもっと賢明に予知能力と叡智を働かせたら防げた筈ですね。禅宗語録の「無門関」の中に「百丈野狐」という公案があります。どんなに賢明で、修行を積んだ人でも因果応報の因果律からは逃れられない、「不昧因果!(因果はくらませず)」、と喝破したものです。
人類は物質文明と科学万能を信じ、拝金主義と享楽主義に身を委かせ、限りない欲望を増殖させて、今日の挫折に立ち至りました。今年も拙い自作の漢詩に新年の感懐を托しました。
「読み」
環球の汚染 真を求むるを要す。
経済の低迷 臥薪に甘んず。
千古の至言 誰か顧みざらん。
平生足るを知り 清貧を楽しむを。
『大意』
世界は同時不況と地球環境の劣化によるあらゆる脅威に曝され、臥薪嘗胆の苦しみを味わっている。
こうすればこうなる、原因と結果の連鎖、因果律は千古不滅の真理である。さて、この難局打開の一句、処方箋は何処に求めんか?お釈迦さんは煩悩解脱の要諦は「少欲知足」と説く。今こそ我々は心の豊かさと質素な生活を重んずる「清貧の思想」に回帰すべきではなかろうか?
(注:「環球」とは地球のこと。この七言絶句の脚韻は「上平声十一真」を踏む)
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